舞妓と芸妓について
花街を目指す女性の多くは中学卒業後、約1年間、「仕込みさん」と呼ばれる見習いをします。屋形(置屋)での住み込み生活で礼儀作法やしきたり、踊りなどを覚え、舞妓デビューの「お店出し」を迎えます。着物姿が、伝統芸が、街が好き、と舞妓への憧れは様々です。
舞妓
舞妓の美しい髪型は地毛で仕立てられています。年少時の「割れしのぶ」にはじまり、経験に応じて日本髪を結います。そして、肩上げされた色鮮やかな着物、歩く度に揺れるだらりの帯、素朴な音を鳴らす「おこぼ」……。華やかな衣装をまとう舞妓は、少女らしさのシンボルです。
芸妓
名の通り、洗練された伝統芸で人々を魅了するのが〈芸妓〉。舞台やお座敷などでは舞妓と違って、地毛ではなくかつらをつけて、シックな着物をまといます。舞妓をリードして、上質なもてなしの時間をつくりだします。
愛らしい姿から大人の女性へ――花街の女性として数年を経た舞妓は、赤から白へと「襟替え」を行い、芸妓となります。見た目の華やかさから目を引く舞妓とは異なり、芸妓の美は日々積み重ねた稽古や所作。落ち着いた着物が、内面から湧き出る美しさを一層引き立てます。